タイトル
松尾芭蕉(堺正章)と河合曽良(田宮五郎)はみちのくを行脚し、北陸へと歩を進めていた。芭蕉は、山中で大聖寺藩の家老・田畑壱右衛門(入川保則)が主催する句会に招かれていたが、素通りしようとしていた。その道中、自分の娘だと名乗るお朝(安倍麻美)と出会う。お朝は芭蕉の女弟子・お志野(山本みどり)の子で、そのお志野が山中で芭蕉を待っているという。それを聞いて、芭蕉は山中へと立ち寄ることに決める。
一方、水戸老公(里見浩太朗)一行は金沢を旅立ち北国街道を西へと向かっていた。途中、茶店で芭蕉の孫弟子の俳諧師・若連(なずび)に出会う。そして若連から山中での句会の話を聞き、一行も山中に立ち寄ることにしたのだった。山中は、俳諧師であふれており、一行と若連は、どうにか旅籠の布団部屋を確保することができた。その旅籠の番頭から、句会に参加するための短冊をもらう。いい句を作ることができれば、芭蕉の句会に出席できると聞かされ、老公たちも頭をひねったのだった。
芭蕉とお朝は、曽良と別れて山中へとたどり着いた。山中では、田畑とかつての弟子・去風(佐藤仁哉)と枝角(及川いぞう)が芭蕉を出迎えた。芭蕉はお朝にお志野の居所を聞くが、お朝はごまかしたまま、行方をくらましてしまう。実はお朝は、去風たちに指示されて、芭蕉を山中まで連れて来たのだった。芭蕉は、お朝を連れ戻さなければ、句会に出ないと言い張る。芭蕉がいなくては句会が成立しないと焦った田畑は、役人たちにお朝を探させた。
逃げていたお朝は、助三郎(原田龍二)と八兵衛(林家三平)に助けられ、老公に事情を話したのだった。その話に苦笑するも老公は、お朝に俳句を作らないのかと尋ねた。そしてその場のなりゆきでお朝は俳句を作ることになったのだった。
ある日、老公と芭蕉が河原を散策すると芭蕉から、お朝が自分の娘ではないことが分かっていること、かつて忍びであったこと、忍びを抜けるきっかけとなったのがお志野とお朝との平穏な暮らしであったことを明かした。老公はその話を聞き、昨夜お朝が一睡もせずに作り上げた句を芭蕉に見せた。その句を芭蕉は感慨深げに眺めるのだった。
一方、風車の弥七(内藤剛志)は、山中に俳諧師を装った忍びが紛れ込んでいることに気づき、警戒を強めていた。しかし、その企みが何であるかわからないままであった。
句会が始まった。順に句を詠み、老公が句を詠もうとしたその瞬間、突然芭蕉が短刀を手に老公の脇を一突きする。芭蕉の行動は、お志乃を刺客たちに人質に取られていた故であった。駆けつけた助三郎や格之進(合田雅吏)は倒れた老公を見て茫然となる。そして、去風や枝角をはじめ俳諧師に扮した刺客たちが、老公に止めを刺そうとした時、老公が体を起こした。老公と芭蕉は一瞬のうちに目配せをし、敵の目をくらませ、刺客たちの正体を暴いたのである。刺客たちと一行は討ち合いになるが、刺客たちは自爆し姿を消した。実は刺客たちは、柳沢吉保(石橋蓮司)と隆光(麿赤兒)の差し金で動いていたのであった。
ストーリー
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