タイトル
山中で黒装束の一団が銅を乗せた藩の荷車を襲っていた。その様子をマタギの作造(出水憲)と孫娘のおさと(吉田里琴)が見てしまう。その場を逃げようとしたとき、黒装束の一団に気づかれ、おさとをかばった作造は斬られ悲鳴をあげる。その悲鳴を風車の弥七(内藤剛志)が聞き、駆けつけるが、作造は命を落とし、その傍らには恐怖で言葉を失ってしまったおさとが泣きじゃくっていた。弥七はおさとを連れ城下に向かう途中、助三郎(原田龍二)とお娟(由美かおる)に会い、事のあらましを話す。 城では、城代家老・隠岐采女正(田口計)をはじめとし、重要な特産品である銅が盗まれたことで大騒ぎとなっていた。
一方、町外れでは夜毎いたずら河童が現われていた。河童の正体は、親を亡くした房吉(中上海輔)たちだった。房吉たちは、親がわりの芳造(うえだ峻)の元で見世物小屋を開いて暮らしていたが、芳造が体を壊した為に河童の姿で町の人を脅かして食べ物や金を奪って食べつないでいたのだった。
ある日、医者にいたおさとがいなくなった。おさとは、房吉たちの住まいに迷い込んでしまうが、おさとの様子に何かわかるまで…と、一緒に暮らすことになる。神社に行ったとき、おさとは稲荷の前の赤い旗を見て、作造が殺された時のことを思い出し錯乱してしまうが、ちょうど通りかかった廻船問屋の女主人・りつ(大鳥れい)によって助けられる。 おさとの事情を知ったりつは、おさとを預かり我が子のようにかわいがった。神社から姿を消したおさとを房吉たちは必死に探すが見つからない。夜になって、河童に扮した房吉たちは、老公(里見浩太朗)たちを襲うが、逆に捕まってしまう。子供たちを送り届け芳造から事情を聞く。二度としないと約束し、その場を離れようとしたとき、銅を目にする。房吉たちは銅を拾った時の様子を老公に話すのだった。
銅を盗んだのは勘定奉行の大澤織部(石田太郎)とりつの義弟で物産問屋の濱田屋利平(螢雪次朗)だった。二人は奪った銅を密かに売り、その利益を我がものにしようと企んでいた。そして、その銅を運ぶために廻船問屋の鑑札を手に入れたかったのであった。そのために利平はおさとを連れ去るがその様子を房吉たちが目にする。
りつが、利平に呼び出され濱田屋へ向かった。利平はおさとと交換に鑑札を手に入れようとするが、そのとき老公がおさとの手を引き現われる。そして、潜り込んでいた房吉たちが現われ、奥の部屋に銅が積んであることを話し、大澤と利平の悪事を明らかにしたのだった。りつは、芳造のところにいた子供たちを養子として引き取り育てることに。庭で遊ぶ子供たちはりつのことを照れながらも「おかあちゃん」と呼び抱きついてくる。そんなとき言葉をなくしたおさとからも…。老公は、その子供たちの笑顔に安堵し、久保田の地を旅立ったのだった。
ストーリー
ゲスト
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