放送日:12月1日 (月)

水戸老公(里見浩太朗)一行は船で博多へと渡った。そこで調子のよい唄うたいの旅烏・千次郎(香田晋)と知り合う。千次郎は諸国を渡り歩いて各地の民謡を覚え、それを披露しながら金を稼いで旅をしていた。千次郎の自慢の唄声に老公も聞き惚れたのだった。

千次郎の故郷は博多であり、もともとは波野屋で奉公する博多織の職人だった。思いを寄せていた親方の娘・お鶴(森奈みはる)が兄弟弟子の栄吉(佐藤亮太)と所帯を持つことになり、いたたまれなくなって博多を飛び出したのだという。千次郎は見栄をはるために自分が大店の主人であるように振る舞って欲しいと老公たちに頼んだのだった。仕方なく老公は番頭、助(原田龍二)と格(合田雅吏)は手代に、早月(磯山さやか)は女房に扮することになった。

一行が訪ねてみると、千次郎がいた頃は小さかった波野屋が、栄吉の努力により献上品を扱うほどに繁盛し大きくなっていた。嘘で身を飾った千次郎はどうも居心地が悪い。その頃、献上品に粗悪品が紛れ込んでいたことが分かり、栄吉は奉行所に囚われてしまう。しかしこれは、近年大坂から進出し、博多の商いを一手に握ろうとする物産問屋・梅田屋甚兵衛(睦五朗)と家老・西岡軍太夫(堀田眞三)が仕組んだ罠であった。

西岡は栄吉の命乞いをするお鶴に色目を使い、妾になれば考えてやると本性をあらわにした。栄吉、お鶴の危機を知って千次郎は自らの危険を顧みず梅田屋の悪事の証拠を握る決意をした。老公は、かつて千次郎が梅田屋の宴席を盛り上げたことがあり、西岡とも顔名馴染みであることを知り、千次郎の芸を使って悪事のからくりを暴く方法を考えたのだった。

老公の計画通り、千次郎の唄に引き寄せられるように梅田屋が現れた。千次郎は梅田屋をけしかけ、西岡と仲違いさせて悪事を暴きだした。博多の町に平和が戻り、老公たちは長崎を目指してふたたび旅立ったのだった。

 

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