文字サイズを10段階で変更可能 》 大きく 小さく

本文はここから、撮影風景スタッフの日記

3月25日 土曜日

ロケ地:星野邸(柏崎市市野新田)
またまた快晴!本当にツイてます。
この日は柏崎市市野新田での撮影。雪の少ない柏崎も、ここまでやってくると凄い豪雪です。
その雪に埋もれた星野邸はふみ子の実家の設定で、慈光(滝壺薬師住職:高橋長英さん)がふみ子に再会するシーンや、借金のかたにふみ子の衣服を行商の古川(平田満さん)にとられてしまうというシーンが撮影されました。
家の持ち主の星野さんや管理されている方には、ロケハンのころから本当にお世話になりました。
お邪魔するたびにいただいたタクアンは絶品!この辺の地域では、軒にだいこんが干されているのはとっても当たり前の風景。お邪魔するご家庭ごとに、常にタクアンを饗されてきた私たち。
中でも星野さんのタクアンは、スタッフ投票でも常にランキング上位。とても美味しかったです!
また、撮影では、畳を上げさせていただいたり、補修していただいたり、誠にありがとうございました。
写真
囲炉裏のある、星野邸での撮影
写真
りん先生との出会い

3月26日 日曜日

ロケ地:旧今井染物屋(上越市大町)
再び、旧今井染物屋。
この日は按摩修行中の子供たちが「じょんのびじょんのび」するシーンや、 タカ(笹山按摩屋主:高橋惠子さん)とふみ子(鈴木理子ちゃん)、キク(小浦彩里ちゃん)、りん先生(高松あいさん)が出番の感涙のシーン(ここは本当に泣けます)などの撮影です。
特にこの日もっとも緊迫したのは、ふみ子が懸命に按摩の修行にとりくむシーンの撮影。これら修行シーンに繰り返し登場する象徴的な小道具にタカ(高橋惠子さん)の手に握られたコップ一杯の水があります。お客さんの体を無駄に揺らすことなく按摩することが、一人前の按摩になる第一歩。最初は体とともにコップも揺れて、大きく波打ったり、こぼれたりする水。時には、ふみ子の顔にピシャッ!!なんていう場面も…。さすがにこのカットばかりは、一発OKで!、とスタッフ、キャストともに緊張感が一層みなぎりました。監督の「OK!」の声がかかった途端、それまで鬼のような形相だった惠子さんが、「ごめんね〜」と理子ちゃんに声をかけて──、セット内にこの日初めて笑いが起きました。
写真
近藤監督の熱のこもった演出
写真
撮影の合間にも
「じょんのびじょんのび」

3月27日 月曜日

ロケ地:鵜川神社(柏崎市新道) 飯塚邸(柏崎市新道)
この日も快晴。鵜川神社では、樹齢1000年といわれる大きな大きな欅の木と理子ちゃんが共演!
とても素敵で印象的なシーンとなりました。大ケヤキさん、ありがとうございました。
鵜川神社から少し移動すると、一般公開されている古民家・飯塚邸があります。
ここは、ふみ子が芸者〆香(遠野凪子さん)と出会う料亭の設定。まずは腹ごしらえ!ということで早速昼食。この日はスタッフが心ときめく温かいケータリングです。メニューは定番カレーライス!エキストラの皆さんもおいしそうに召し上がっていました。
軽い雪運び(実は重労働。もちろん理子ちゃんは雪遊びに夢中!)の後、撮影開始。
高田連隊少尉の上田(遠藤憲一さん)が池にはまるという大変なシーンの撮影です。
この寒さにウエットスーツ無しで水に飛び込みます。念入りなリハーサルの後、本番は一発OK。助かりました。ずぶ濡れの遠藤さんのためにお風呂をお借りしたご近所の方、誠にありがとうございました。
写真
冒頭の印象的なシーン
写真
触っても教科書が読めないふみ子。初めての絶望です

写真
料亭のシーンを撮影した飯塚邸
写真
上越映画鑑賞会の増村さんもしっかり出演

写真
柏崎インフォメーションボックスの斉木さん。ケータリングのお味はいかが?

3月28日 火曜日

ロケ地:飯塚邸(柏崎市新道)
再び飯塚邸。この日は、芸者〆香(遠野凪子さん)が地方(満利江さん)の三味線にあわせて舞いを披露する緊張のシーンを撮影。 夜のシーンなので、昼間のうちは四方の窓を黒い大きな幕や紙で覆って外の光が入らないようにします。
この日は差し入れがすごい!おせんべいに、笹団子、いちご……などなど、皆様のお気遣い、本当にありがとうございました。この日理子ちゃんは、録音部さんに弟子入りしておりました(笑)
写真
ヘッドフォンをした理子ちゃん。録音部さんに弟子入り!?
写真
昭和初期の料亭シーンです

写真
踊りを披露する〆香と、三味線を弾く地方さん

3月29日 水曜日

ロケ地:水野製麩店(上越市稲田) 高田公園(上越市本城町)
旧小柳医院の一室で春のシーンを撮影した後、水野製麩店さんに移動。こちらは山田吾一さん扮するお麩屋さんの設定です。ここもロケハンで見つけたとっておきの場所。実を言うと最初は煙草屋さんの設定だった山田さんの役。しかし、イメージにぴったりの水野製麩店さんでロケをさせていただくことになり、台本を変更したのでした。皆さん、高田に行ったらガイドブックに載っていない本物のお麩屋さんに出会えます。
焼きたてのお麩は、あつあつのクロワッサンより美味しいかも…。
撮影途中に雪が降ってきました。そして寒い。こんなに寒いのに表玄関を開け放しでの撮影で、とてもご迷惑をおかけしました。その後、高田公園の橋の上で、〆香とふみ子の別れのシーンの撮影です。
しかし、今度は雨と風…。天気には勝てません。ある程度撮影して、この日は撮影中止。
明日は撮休です。ほとんどのスタッフは準備のため、休めませんが…。
写真
ふみ子とお麩屋のおじいさん。2人はとっても仲良し
写真
真っ赤な「西堀橋」の上でふみ子と〆香はすれ違ってしまいます

3月31日 金曜日

ロケ地:旧小柳医院 診療室・待合室(上越市戸野目)
朝から雪、風、雨。こんな日は照明部さん、録音部さんが大変です。
この日は診療所のシーンの撮影。医師役は、現地アドバイザーの松川太賀雄さん。見事に先生になりきっていらっしゃいました。 そしてそして!お昼はなんと差し入れの「カニ汁」!しかもお椀に一盃の丸ごとの蟹。
豪華です!贅沢です!!しかもあったかくて美味しい!!!こんな日はカニ汁に限りますね〜と、 りん先生役の高松あいさんも大喜びのカニ汁を差し入れてくださったのは、磯貝喜作さんを初めとする能生ライオンズクラブの皆様。原作者の市川先生が、かつて名立小学校で教鞭を執っていらっしゃった時の教え子さんだそうで、 約150人分ものカニ汁をご用意してくださいました。
このエピソードは地元紙にも紹介され、カニ汁を持ったスタッフとキャストの笑顔が輝いていました。
心も身体も温かくなりました!本当にありがとうございました。
写真
旧小柳医院にて。
スタンドインする近藤監督。ちょっとお疲れ気味ですか!?
写真
現地アドバイザーの松川太賀雄さん。医師役で銀幕デビュー!!

写真
これが150人分のカニ汁!カニがどっさりで、とても温まりました