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本文はここから、撮影風景スタッフの日記

3月18日 土曜日

ロケ地:長谷川ポンプ店(上越市稲田)と 旧小柳医院前(上越市戸野目)
快晴!近藤組は天気に恵まれているようです。
この日はまず長谷川ポンプ店さんの前の雁木で、お正月と、ふみ子が按摩の修行のために初めて高田に来た時のシーン(行商役、平田満さんと)の撮影。たくさんの地元エキストラの方々に参加していただきました。昨日足りなかった日の丸も無事に揃いました…。
そして、軒に飾られた注連飾りは、ご近所の神社の宮司さんに頼み込んで、ドンド焼きをせずにとっておいていただいたもの。勿論、撮影が終わってからは、きちんと供養していただきました。獅子舞が怖かったのか、人がいっぱいで驚いたのか、エキストラの女の子が泣き止まないというハプニングはありましたが、観客の皆さんにも見守られ、無事撮影終了。
おそらくスクリーンでは、女の子が泣いているなんてわからないと思います。
次の現場は、旧小柳医院前。ふみ子とサダが雪下駄を履いて駄菓子屋に行くシーン等の撮影です。この日の圧巻だったのは、高さ約2m、長さ50mくらいの雪道作り。小柳さんのお宅の前のお寺の庭にドカ〜ン!とあった雪を運ぶ予定でしたが……、やっぱり全部溶けてしまっていたようで……。
こうなったら、やるっきゃない!と、地元FCの皆さんが市内に呼びかけてくれたこと、後で知りました。本当にありがとうございました!!
除雪ならぬ集雪のために10tトラックが出動。山から雪を運んでもらい、これまた夜中にコソ泥のように住宅街の車庫を覗きまくって、探しに探していただいた小型ブルでならし、あとは人海戦術での手作業。地元町内会の皆さんが、スコップ片手に続々とやってきてくれました。「ここにドカ〜ンとこんな風に雪を積んでさぁ」なんて勝手なことを言っていた監督も大喜びの、見事な道が完成!ご協力いただいた皆さん、本当に本当に感謝です。力仕事の後のロケ弁当のお味はいかがでしたか?
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「あれ雪がやんだのぉ」とふみ子が驚く雁木のシーン
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地元エキストラの皆さんに助監督が演技指導

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地元町内会の皆さん 本当に助かりました!

3月19日 日曜日

ロケ地:飯田邸及び付近の畦道(上越市大島区菖蒲)
雪。久しぶりの大雪。高田からおよそ1時間ほど走っただけなのに、雪不足に悩んでいた昨日までとはうってかわって、雪の多い菖蒲での撮影です。この日は瞽女(ごぜ)さんが吹雪の山道を歩くシーンが最初。ということで雪の中に道を作らなければいけないのですが、一体どこが畦道なのか分からないほどの雪深さ!撮影したい場所までたどり着けないほどです。
しかし、俳優さんに歩いてもらわなければ、撮影はできません…。やりましょう!やるしかない。上越市観光企画課の方とスタッフ2人が「かんじき」をはいて延々と道付けです。
しかも撮影がワイドのロングショットなので、かなり広〜い範囲。その距離およそ2キロ!!スタッフが歩いた後を「ばんや亭」のご主人・江口さんにピーター(小型除雪車)でならしていただきました。
雪の中にはまってしまったり、本当にご足労おかけしました。ありがとうございました!皆様、菖蒲にお出かけの折は、「ばんや亭」にぜひお立ち寄りを!と、ちょっと宣伝(笑)手打ちそばが特においしいです。頑張って道を作った甲斐もあり、撮影本番は本物のすごい吹雪で、いわゆる「良い画」が取れました。お楽しみに!
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雪国の生活に欠かせない、小型除雪機「ピーター」
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見えますか?瞽女の行列

3月20日 月曜日

ロケ地:飯田邸(上越市大島区菖蒲)
この日は、菖蒲の皆さんが大切に保存している古民家・飯田邸の中での撮影。
ふみ子の本家の設定で、出演者も盛りだくさん。ふみ子役の鈴木理子ちゃん、チヨ役(ふみ子の母)の藤谷美紀さん、本家の主人の中村敦夫さん、その妻役の水野久美さん(新潟出身)、慈光役(滝壺薬師住職)の高橋長英さん、瞽女(ごぜ)役の阿部敦子さん、五十嵐雅子さん、高村尚枝さん、前田海帆さん、そして小さな瞽女(ごぜ)ユキ役の南川あるちゃん。その他、本家のお客役で地元エキストラの方々およそ20人!!
皆さんとても自然な演技でびっくりです。お疲れ様でした!あるちゃんの唄も、本当に上手でした!2日間に渡って昼・夕食をお願いしました「ばんや亭」さんに、改めてお礼申し上げます。1回80食くらいでしたから、ご苦労されたと思います。ありがとうございました!
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ユキ役の南川あるちゃんは、劇中で美声を披露
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瞽女を見事に演じてくださった劇団文化座の皆さん

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地元エキストラの皆さん。長時間お疲れ様でした!

劇団文化座公式ホームページ

3月21日 火曜日

ロケ地:高速道路下の畦道(柏崎市青梅川) 旧小柳医院前(上越市戸野目)
高速道路の近くの畦道での撮影。
騒音で、音は使えないので、編集時にアフレコとなります。ふみ子が高野りん先生(高松あいさん)にヘレンケラーの話を聞くというシーン。長〜い場面なので寒さがこたえます。
途中で雨が降ったりしたので、ある程度撮影して現場移動。旧小柳医院へ向かいました。
旧小柳医院前では、夕方になるのを待って撮影再開。ここでは、ふみ子が用水路に落ちてしまうシーンの撮影。本当に水の中に入るので理子ちゃんは大変です。寒かったでしょうね。現場近くのお宅で、お風呂に入れていただいた理子ちゃん。後のコメントで、「お家の方が優しくてすごくいい方だったので、新潟に行ったらまたぜひ会いに行きたいなぁと思っています」と語ってくれました。
理子ちゃんが再び新潟を訪れる際には、新潟の皆様、よろしくお願いします!
長時間の撮影でスタッフの体も冷え冷え!こんな日は、漢方温泉「元気人」で一風呂!元気人さんにはスタッフの宿泊と食事をお願いしています。何十人ものスタッフなので、B1フロアーを貸切状態でした。一ヶ月間お騒がせ致しました。ご尽力誠にありがとうございました。
ちなみに俳優さんは、「上越サンプラザホテル」さんにお世話になりました。
色々と細かなお気遣いをいただき、誠にありがとうございました。
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高速道路近くの畦道。懐かしい山里の風景。
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主役が水に入るときには助監督が支えます。裏方の見えない努力が感動を呼ぶ!

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私たち専用の入湯券。元気人さんお世話になりました

3月22日 水曜日

ロケ地:高野商店(上越市東本町)
高野商店さんは、高野(あおい輝彦さん)と、りん先生(高松あいさん)の自宅の設定。
去年の夏のロケハンで、このお店に出会いすっかり監督が惚れ込んだ建物。実は、もともとの脚本では“西山”と設定されていた役を、実際の高野商店を見て役名を変更したといういきさつも――。
雁木の風情が最も感じられる一角です。が、交通量が結構多い道に面しているので、テストや本番時には車を止めて撮影させていただきました。ドライバーの皆様、ご迷惑をおかけしてすみませんでした。この日は、ふみ子が点字を読むシーンがあったので、所作指導として、旧高田盲学校の関井康雄先生にご指導いただきました。高野役のあおい輝彦さんは、新潟にご自分の田んぼを持っていて、そこでできたお米で、日本酒をつくるのが楽しみとか。お米もお酒も美味しい新潟での撮影が、着々と進んでゆきます。
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歴史を感じる高野商店の外観
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昭和初期の設定にぴったり。高野商店の風情ある内部。

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所作指導の関井先生に見守られ、点字に触れる理子ちゃん。

3月24日 金曜日

ロケ地:楞厳寺(上越市柿崎区芋島)と 密蔵院(上越市柿崎区米山寺)
この日も快晴。楞厳寺(りょうごんじ)と密蔵院、この2つの場所が滝壷薬師(住職役:高橋長英さん)の設定です。時代劇にはお寺がよく登場するのですが、監督好みのお寺は大概が山の上にあり、機材の運搬等、とてもスタッフ泣かせです。俳優さんもテストや何やらで何度も階段を往復。ご苦労さまです。滝壺薬師は眼病祈願のお寺で、ふみ子の母・チヨ(藤谷美紀さん)が四歳のふみ子(佐々木麻緒ちゃん)を連れて来る場所。ここも山の上です。実は前日に、密蔵院さんにスタッフがおじゃまして、撮影のために雪囲いを外させていただきました。これが思ったより大変。そしてそのあとには雪かき。お手伝いいただいた上越市柿崎区総合事務所の皆さん、本当にありがとうございました。
また、「オンコロコロセンダリマトウギソワカ」を何度も何度も唱えていただいたエキストラの皆様、ご協力ありがとうございました。
そして密蔵院さん、ぬかるみを作ってしまい、誠に申し訳ございませんでした。
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四歳のふみ子役・麻緒ちゃん。大先輩方のなかでも臆しません
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神妙なシーンの撮影。役者にもスタッフにも、緊張がみなぎります

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エキストラの皆さん。オンコロコロ〜は重要なシーンです