2019年5月19日より 毎週日曜 よる6時 BS-TBS

西山荘の老公の元に福岡藩の貝原益軒から、宮崎安貞が四十年かけて書いた『農業全書』が世に出ると記された文が届く。この知らせに福岡行きを決意する老公であったが、突然、熊本藩主・細川綱利の娘である吉姫が訪れ、父・綱利と話がしたいと言い出した。吉姫の様子を気にしながらも、福岡へと旅立つ老公一行。福岡・中津の湊に着くと、物陰からこちらを見ている笠をかぶった武家の姿が……。その正体は吉姫！事の次第を聞いた老公は、吉姫をお得意様の旗本の若君・吉太郎として旅に同行させ熊本まで連れて行くこととする。するといきなり、通りがかった娘・里美に「漁の網を踏んでいる！」と叱られる。里美の案内で訪れた寺には傘を作る里美の父、中津藩元馬廻り役・広澤勘兵衛の姿があった。住職によれば、中津藩主・小笠原長胤は次席家老の竹原嘉門ら取り巻きにおだて上げられ遊興三昧。それに意見した勘兵衛は藩を追われ、今では傘を作りながら近所の子供たちに手習いを教えているという。そんな中、藩の状況を苦慮した若侍たちが竹原らを討つために勘兵衛に協力を求めるが里美は大反対。その様子に吉姫は、何故藩の為に立ち上がらないと里美を責める。里美は、藩士でない今、子供たちの笑顔と今の暮らしを守りたいと言う。里美の想いを知りながらも、意を決した勘兵衛は長胤の別邸に乗り込み、傘を例えに藩主の役目を諭すも……。