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第1話
恋でつないだ権兵衛峠(伊那)2月28日放送
水戸老公(里見浩太朗)一行は木曽路の奈良井宿へとやって来た。険しい山道に疲れた老公が荷物に腰掛けると、突然「コラッ!」と娘の怒声が飛ぶ。老公が尻に敷いたのは、はるばる越後から運んで来た米俵だったのだ。お糸(佐藤藍子)によれば、木曽では米が採れないため、山向こうの米処・伊那へ道を繋げようと普請を行っているところだという。そこへ参勤交代の早馬が、到着の早まりと人数の増員を伝える。本陣の主人・喜三郎(三田村周三)は米が足りないと心配する。お糸は、完成間近な道を通って伊那から米を運ぼうと考え、一行と共に伊那へと向かう。
普請場では、お糸の父・権兵衛(前田吟)が指揮を執っていた。最後の難関である大岩を退かそうとするが、ビクともしない。鍬次郎(山下徹大)が「成功したら、お糸を嫁にくれ」と命がけの仕事を引き受ける。見事やってのけた鍬次郎に、仲間たちは大盛り上がり。そこへ、やってきたお糸たち。気まずい権兵衛をよそに、鍬次郎は「もう俺のもんだ」と大喜び。お糸は、はしゃぐ鍬次郎に素っ気ない態度で通り過ぎる。
伊那に着いたお糸たちは名主・信右衛門(石井愃一)に掛け合い、代官所の米蔵にある余り米を譲り受け、ホッと一安心。信右衛門の家で疲れを癒す。その夜、お糸を追いかけて来た鍬次郎が、我慢できずにお糸の布団へと潜り込む。と、それは老公の布団。短絡的な行動を老公はたしなめる。
翌朝、荒くれ者の雷造(西條義将)が代官所の米を買い占めたとの報せが入る。先約があると抗議するお糸に、雷造は代官お墨付きの書状を見せる。伊那の代官・片桐源左衛門(大鷹明良)は赴任したばかりで木曽に縁を感じておらず、相場より高い買値を示した雷造に売って財政を豊かにするのは当然だと言う。鍬次郎は困り果てたお糸のために、百姓から米をかき集めるが徒労に終わる。
お糸は、一縷の望みで高遠の米問屋・興津屋嘉平(六平直政)に頼みにいく。嘉平は権兵衛の道普請に多くを援助している高徳の人。ところが、嘉平が口にしたのは、米の代わりにお糸に後添えになって欲しい。できないなら、投資金をすべて返せという無理難題。嘉平の人柄を信じている信右衛門は、これで目出度く収まったと喜ぶ。だが、お糸は嘉平に嫌悪感を抱く。お糸の本心を見抜いた老公は、鍬次郎との仲がうまくいくよう力になろうとするが、喜三郎は木曽を守るために邪魔をしないで欲しいと、手を付いて懇願する。
お糸が嘉平に嫁ぐと知った鍬次郎は、愕然としてヤケ酒を飲む。向かいでは、米を買い占めた雷造たちが宴会を開いていた。雷造は、米を売りに今頃は遠州にいるはず……不審に思った鍬次郎は子分に見つかってしまい、寸でのところで弥七(内藤剛志)に助けられる。弥七は、雷造を使っていたのは嘉平だと教える。老公は、鍬次郎に「好きならお糸を奪い取りなさい」と発破をかける。
仮祝言の準備が進められる中、権兵衛は自分のつくった道のせいで娘を犠牲にしてしまったとうなだれていた。お糸は、「故郷を思う気持ちはお父っつぁんと同じ」と笑顔を見せる。嘉平はこれからは金のある者が強く、すべてを手に入れられるのだとふてぶてしく答え、権兵衛は怒りに震える。一方、老公は代官所を訪ね、片桐が目先の金勘定にとらわれている間に伊那の米が買い占められていることを指摘する。そして身分を明かし、片桐に実情に目を向けるよう言う。
お糸と嘉平が仮祝言を挙げているところへ、鍬次郎が現れた!差し出された手を、お糸は思わず掴む。驚いた嘉平が追おうとするのを、権兵衛が阻んだ。父親を心配して振り返るお糸に、「行け!」と後押しする権兵衛。お糸は鍬次郎と手に手を取り合って逃げる。そこへ、雷造たちが二人に襲いかかる。だが弥七と楓(雛形あきこ)が蹴散らすのだった。嘉平が権兵衛に手をかけようとしたところへ、片桐を引き連れた老公一行が現れる。老公は、故郷を思う清い心を金で汚す行為は許せない、と厳しく糺した。そして老公一行は、鍬次郎とお糸の幸せを願い、人々の希望を繋いだ峠道を通って旅立つのだった。この道は、権兵衛峠と名付けられ、今も多くの人が行き交っている。