吉川さん:ありがとうございました。今、内藤さんがおっしゃったように、最近、時代劇が少なくなりまして、昔でしたら「十手(じって)」や「岡引(おかっぴき)」、「長屋(ながや)」、「与力(よりき)」だとかいう言葉が自然とわかっていたのですが、今の若いアナウンサーはそれを知らないので、「長屋」が読めなかったり、十手や岡引の意味が分からないなどということをここ最近聞いておりまして、そういった意味でも水戸黄門は文化を支える意味もあるんではないかと個人的には思っております。ではここから、質疑応答に入らせていただきます。
Q.水戸黄門には激しい殺陣シーンがありますが、新しいレギュラーの3人の方々がそれぞれ殺陣で苦労されているところはどんなところですか?
東さん:殺陣自体は今までにも何度かやっていますが、ただ敵をやっつけるのではなく、ご老公を守りながら、それぞれのキャラクターらしさを殺陣の中にも出していきたいと思っているので、苦労している点とは違いますが、そういったこだわりを大切にして臨んでいます。殺陣は何十年やっても答えが見つからないというものなので、撮影の前にも訓練させていただきましたし、これからも撮影と並行して頑張っていきたいと思っております。
的場さん:殺陣自体は昔から好きで、稽古にもいろいろ参加させていただいているのですが、水戸黄門の立ち回りはやはり独特のものがありまして、間合いといいますか、立ち回りの緩急がすごくむずかしいと思いました。魅せ方の部分ですよね。今も稽古していますし、見ている方にもそれを伝えたいと思っています。
雛形さん:私は棒術をやらせていただいているのですが、全く初めてで、今まで棒を持ったこともなかったし、殺陣というのもなかなか経験したことがなかったので、一からということで、撮影前に稽古させていただきました。撮影中にもみなさんに教えていただいています。敵の方たちもとてもやさしく教えてくれますね(笑)。ご老公にも教えていただいていて、実はご老公が一番強いんじゃないかとも私は思っています。大変というよりは、必死で、棒を回しながら毎日頑張っています。
Q.里見さんから見て、3人の殺陣はどうですか?
里見さん:3人ともラストの立ち回りの部分では、非常に苦労していますね。僕のように40年やっていても、場面によっては難しい立ち回りもありますし、立ち回りの本髄というのはむずかしいものなんです。なぜなら、本当に人を斬るわけじゃないけれども、本当に斬ったように見せなくてはいけない。棒術なども鮮やかでなくてはいけないんですね。ですから、僕も現場で気が付いたところは言っていますが、まだまだできていない(笑)。だけども、一生懸命やっている。その一生懸命さが視聴者に伝わればいいと今は思っています。そのうちに、自分でいろいろなことがわかってきて、格さんが言った緩急のつけ方など、「どうだ俺はかっこいいだろう!」といった魅せる立ち回りができるようになると思います。
Q.助さん、格さんが、今回、主題歌を歌ったときの感想やエピソードを聞かせてください。
東さん:レコーディングスタジオで数時間にわたり、発声練習からやりました。僕は歌手じゃないので、どうでしょう…。
(東さんが質問者に歌の感想を求めたところ、記者から「かっこよかったです」との答えが返ってくるやりとりが。)
本当ですか?よかったです。先生に細かくアドバイスしていただいて、細かいところにも気をつけましたね。
的場さん:レコーディング前に撮影現場で里見さんにどんな風に歌えばいいかアドバイスを求めましたら、その時おっしゃっていたのは、ただ歌うのは面白くないから、行進曲のように歌ったらいいんじゃないかというアドバイスをいただいたので、それをものすごく意識しました。今までもこの歌を素敵だと思って聴いていたのですが、実際に歌ってみてやさしい歌詞が自分の中に深く入っていきましたね。
Q.里見さんは、新しい主題歌を聴いてどのような感想を持ちましたか?
里見さん:実はまだ聴いていないんですが、先ほど入場の際に流れていましたよね。先ほど記者の方の「かっこよかった」という声を聞いて安心したんですよ。この歌は人生の応援歌または行進曲ですから、的場くんにもそのようにアドバイスしました。
Q.今までのレギュラーの方は、新しい助さん、格さんをどのように思いますか?
里見さん:もともと助さん、格さんはイケメンというところからはじまっていたと思います。僕も助さん、格さんを演じましたが、僕の時代よりも躍動的な血のにおいを感じるんです。今までの助さん、格さんに比べて、年齢が3~4歳上なのですが、それが大人の魅力になっているんですね。老公として、身を預けて大丈夫といった安心感があります。また、この二人は今までにも一緒に仕事をしているんですね。助さんと格さんのツーカーのにおいを老公として感じられ、安心できるんですよ。
内藤さん:今回新たに加わった3人は、役以前にそれぞれ俳優さんとしてのカラーをすごくお持ちな方々だと思います。ベテランなんですね。ですから、安心して身をゆだねていけると思います。そして役柄においては、幹久くんと的場くんは、非常に似ているようで、実は全然違っている。違っているんだけど、2人のハーモニーみたいなものが非常によく出来ていて素晴らしいと思います。また、雛形さんはこの男ばかりのむさくるしい中で紅一点でかわいらしさを支えてくれています。ご本人も本当に可愛らしい方です。新しいレギュラーとともに楽しんでいきたいと思っております。
三平さん:最初のうちは「三平くん」と呼んでくれていたのですが、3日目にもなりますと「おい、三平」と呼び捨てになりまして…。でも本当にやさしい兄さん方に演技など教えていただいて、仲良くやっております。そして、雛形さんとはもう15年くらい前に番組でご一緒させていただいてからの縁ですが、その時から比べても素敵な女性になったなぁと思っています。
Q.東さん、的場さんは、役が決まったときに、周りの人からの反応はありましたか?
東さん:友人から「すごいね、おめでとう!」と声をかけられましたね。よく行くお惣菜屋さんも今までは何も言ってこなかったのに、「助さんやるんだって?」と声をかけられました。
的場さん:母親から「すごくうれしい」と電話がかかってきまして、その時、祖父母が生きていたら喜んだだろうという話が出て、胸が熱くなりました。俳優仲間からも連絡をたくさんいただきましたね。方々から連絡をもらって、やはり水戸黄門ってすごいんだなぁと思いました。