ストーリー

水戸老公(里見浩太朗)一行は、新吉(伊澤柾樹)の母親・お松がいるという浜松へ。一行は金兵衛(木村元)、おすみ(吉田久美)の父娘が営む旅籠に世話になり、名物の鰻料理に舌鼓を打つのだった。ちょうど参勤交代の行列が、浜松に立ち寄っていたので、その侍たちで賑わっていたが、金兵衛の話だと旅籠や料理屋は儲けがないという。

参勤交代の大名行列は、美作津山藩藩主・森長成(宮下裕治)の一行である。長成の側用人の小野一馬(長野克弘)は、何者かが長成の命を狙っていることを察知し、共に百姓に扮して本陣を抜け出した。だが、不審者として追われ、小野は藩士に斬りかかられ深手を負ってしまう。そこへ弥七(内藤剛志)が助けに入り、その間に長成は川へと飛び込み逃げるのだった。

旅籠では、新吉がおすみに、母親探しをしていることを話していた。唯一の手がかりは、新吉が持っているお守りだった。お守りを見たおすみは、お守りは浜名湖の近くにある館山寺のものであるが、新吉がひとりで行くには遠いので、八兵衛と一緒に行くことを勧めるのだった。
老公たちは金兵衛とおすみに連れられ、川辺での鰻漁を見せてもらっていた。すると、藪の中からずぶ濡れで憔悴しきった若い男が現れた。一行は男を旅籠へと連れて行き、事情を聞いたが、茂吉という名前以外しどろもどろで要領を得ない。そこへ、弥七から知らせが入る。弥七から昨夜の話を聞いた老公は、弥七がかくまっている男と一緒にいて、川に逃げた男が茂吉であると想像するのだった。
ぐずぐずしている八兵衛(林家三平)にしびれを切らした新吉は、ひとりで館山寺に向かおうとしていた。そこに茂吉と出くわし、新吉と茂吉は一緒に館山寺へ出かける。館山寺の僧に話を聞くと、お松は確かに浜松にいたが、3年前に西へ行くと言って出て行ったという。浜松に母がいると思っていた新吉は、すっかり落ち込んでしまう。重い足どりで寺から帰る二人の前に突然、無幻斎(大沢樹生)が現れ、襲いかかってきた。そこへ東条隼斗(市瀬秀和)現れて、二人の窮地を救うのだった。
お娟(由美かおる)の調べで、茂吉は美作津山藩主・森長成であることが明らかになった。また、美作津山藩家老の戸田主計(磯部勉)が長成の命を狙っており、浜松藩家老の土屋主膳(原口剛)もこの企みに関わっていることもわかった。老公は弥七がかくまっている小野から事情を聞くことにした。小野によると、戸田は長成を亡き者にして先代の子供を藩主に据え、藩政を我が物にしようと企んでいるという。
無幻斎によって長成の居場所を知った戸田は土屋とともに、金兵衛を呼び出した。土屋は金兵衛に、長成に出す食事に毒を混ぜるよう命じ、逆らえば鰻料理を出すことを禁じると脅したのだった。金兵衛は、料理に毒を盛るがその料理を出すことが出来なかった。しかし、何も知らないおすみは、残っていた毒入りの料理を膳にのせて長成の元へと運んでしまうのだった。それに気がついた金兵衛が、すぐに止めに入り大事には至らなかったが、金兵衛から理由を聴いた長成は責任を感じ、自らの身分そして事情を皆に話すのだった。
老公は戸田らの悪事を暴くため、一計を案じる。生類哀れみの令に倣って鰻料理を禁じるといった藩の触書に背いて、金兵衛と鰻の蒲焼を店先で売った。噂を聞きつけた戸田と土屋らは旅籠にやってきて、長成を見るやいなや捕らえようと襲いかかってきたが、その場で老公により戸田と土屋は今回の企み、そして今までの悪事を追求され観念するのだった。長成も、この一件で知り得たことを肝に銘じると誓い浜松を後にするのだった。
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