質問者(記者):今回で第39部になりますが、皆さんは水戸黄門がなぜこんなに続いており、人気があるのかと思われますか?

里見さん:いろいろ要素があるとは思いますが、まず私たちの先輩、東野さん、西村さん、佐野さん、石坂さん、それに歴代の助さんや格さん、レギュラーの人たちが作ったきた伝統があるからだと思います。その伝統とは、時代劇の伝統です。水戸黄門は40年前に始まっているんですけど、その頃はたくさんの時代劇、特に時代劇映画が盛んだった頃で、その映画づくりの流れを汲んでつくられている。それは東映の撮影所のスタッフが伝統を十分に知っているからこそできるのだと思います。時代劇を好きな人は、今好きになったというよりも、昔から好きという方が多いと思います。水戸黄門が時代劇の伝統を継承しているということだと思います。

それともうひとつは、日本人が絶対に忘れてはいけない親子の関係、兄弟の関係、師弟の関係という人間愛、情、そういうものを水戸黄門は特に大切にしているドラマです。そういうところが、水戸黄門がチャンネルを変えにくい番組なのではないでしょうか。


原田さん:里見さんに全部言われてしまいましたが(笑)、時代劇映画から続くしっかりとした土台があると思います。それと、子供が見てもいい人と悪い人がわかる、はっきりとした勧善懲悪があることも要素のひとつかと思います。


合田さん:さらに言われてしまって(笑)。皆さんが言ったこともそうですし、あとひとつは安心感だと思います。勧善懲悪の安心感。みんないいものはいい、悪いものは悪いということは気持ちのどこかに持っていると思いますので、水戸黄門を毎回見て、スカッとしているんじゃないかと思います。

由美さん:すべて出てしまったんですけど(笑)、今の激動の時代にみんながビクビクしながら、不安な毎日を過ごしている気がするんですね。そんな中で長く続いている水戸黄門見てホッとするというか、安心感があると思います。その中にはハート、愛情、いろいろな思いが入っていますから。あとはやはり娯楽ですから、楽しいのかな。


松井さん:これ以上言葉を付け足すことがあるのかなというくらい出てしまいましたけど(笑)、僕が思うに、出演者はもちろんですが、それだけでなくスタッフや関係者からも視聴者の皆さんに楽しんでもらいたいという愛のオーラが出ているんじゃないかと思っています。

内藤さん:
2つあると思います。1つは里見さんもおっしゃっていましたけど、時代劇の最高の芝居を見ることができるということだと思います。あとひとつは、新聞やニュースを毎日見ていて思うんですけど、責任ある人間がきちんと謝らなかったりだとか、自分の都合で人を殺めたりとか、暗い気持ちになることが多いですよね。けれどもドラマでは、ピンチになった人の所へ毎回毎回ご老公がやってきて、優しく手をさしのべてくれる。つまり希望だと思います。誰だって希望を持っていいんだよという気持ちが込められているんだと思います。月曜8時には必ず希望が持てる、そういうことかもしれませんね。

磯山さん:小さい頃から見ていて、単純に旅をしていたら、悪い人が出てきてその人たちを黄門様たちが倒してくれて、心がすっきりすることだと思います。それと由美さんのお風呂のシーンは幼いながらに本当にセクシーできれいだなぁと思っていまして、そういうところも人気があるんじゃないかと思います。