江戸一番の豪商、福乃屋主人・富蔵は、 不気味な渡り御行から不吉な予言を受ける。 まったく意に介さない富蔵をよそに、福乃屋周辺では妖怪変化が出没。 福乃屋化け物騒ぎは江戸中の評判となる。 騒ぎ続ける奉公人、用心棒達の姿から、 商いに差し障りがあると判断した福乃屋番頭・庄吉は、 戯作者京極亭と縁続きの、高名な憑き物落とし-陰陽師・中禅寺洲斎を雇い入れる。 実はこの妖怪がまつわる全ての怪異は 御行の又市、山猫廻しのおぎん、事触れの治平、算盤の徳次郎による「仕掛け」であった。