江戸の町。
御行の又市と算盤の徳次郎は、とあるお屋敷に招かれ仕事の依頼を
受ける。
五年前に、乗っていた船が難破し、行方知れずになっていた跡取りの
許嫁が、廃人同様になって戻ってきたという。
跡取りを捜すためにも、正気に戻して欲しいとの依頼 を請け、徳次郎が
目眩し(めくらまし)術で、正気を戻したが、娘は「戎(えびす)島、赤面
えびす」と言い残し、絶命してしまうのだった・・・。


戯作者・山岡百介 の話によると、島民は島の掟で笑うことを禁じられて
おり、島民は恵比寿を祀り、島のあちこちに恵比寿像があり、その顔が
赤くなると島が滅ぶのだという。
又市の話に興味を持った百介は、えびす島が見える浜に行く。
ところが盗賊の闇雲一味の強盗事件にまきこまれてしまい、人質として
船に乗せられ、海に投げ込まれる。
ところが、潮の満ち干きの関係でたまたま足が付き、戎島に辿り着く。
そこは、戎甲兵衛が島民の命までも支配する異様な島であった。
島には、潮の加減であらゆる富が 流れ着き、財政が潤ってはいるが、
その富はすべて甲兵衛のものであるという。

先に流れ着いた闇雲一味は、戎家奉行会四人組に捕えられ、甲兵衛の
余興として残虐に処刑されてしまう。
その頃徳二郎は、又市とおぎんに、自分の出生が戎島であることと、両親と妹がこの島にいるかもしれないと語る。
又市、おぎんは跡取り息子を捜すため、 徳二郎は、自分の過去にけじめをつけるため島へと向かうのであった。
果たして、島にまつわる赤面えびす伝説を解き明かすことが出来るのか?


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